 |
 |

|
→「外科」に戻る |
|

 |
|
腹部に数か所穴をあけ、内視鏡の一種である腹腔鏡を入れて内部をみながら、別の穴から入れた器具で手術を行う方法です。1992年から健康保険の適用にもなっています。従来の開腹手術に比べ患者さまの身体的負担が軽いため入院が短く、回復も早いので、医療費の削減にもつながります。
当院では、2005年12月より腹腔鏡下大腸手術を開始しました。大腸癌手術症例に占める腹腔鏡下手術の割合は、毎年増加しており、2008年には55%となりました。全国平均では、約25%とされています。
 |
|


|
|
■利点
・ 創が小さく、痛みが少ない
・ 呼吸器合併症が少ない
・ 腹腔内の癒着が少ない
・ 手術侵襲が少ない(TNFα、IL-2、IL-6等の
炎症性サイトカインを抑制)

■欠点
・ 手術時間が延長する
・ 術中偶発症を見落としやすい
・ 技術的に特殊な訓練と熟練を要する
・ 手術時間が延長する
・ 術中偶発症を見落としやすい
・ 技術的に特殊な訓練と熟練を要する
|
 |
|

腹腔鏡下手術症例では、ほとんどの患者様が翌日から自立歩行されています。通常の開腹手術では、術後2〜3日間は歩行に介助を必要とするため、体にかかる負担が少ないことが分かります。腹腔鏡下手術の欠点も、手術器械の進歩により、徐々に改善されつつあります。
 |
|

 |
|
当院では、再発鼡径ヘルニアや早期胃癌にも腹腔鏡下手術の適応を開始しており、より創が小さく、痛みが少ない低侵襲な手術を目指しています。現在、当院で腹腔鏡下手術が可能な適応症例は、下記の通りです。(但し、症状によっては適応できないケースがあります)
・大腸癌(進行癌を含む)
・再発鼠蹊(そけい)ヘルニア
・早期胃癌
・胆石症
・急性虫垂炎
・癒着性イレウス
・胃良性腫瘍
・S状結腸軸捻転
・大腸憩室炎
|
|

 |
|
大腸内視鏡検査で、全周性腫瘍を認めます。内視鏡下に組織検査を行い、癌の確定診断を行います。注腸造影検査で、腫瘍の位置を確認します。S状結腸に全周性狭窄を認め、S状結腸癌と診断しました。
 |

|
|
造影剤の点滴を行いながらCT撮影し、3次元立体構築を行うと、3次元血管造影画像が得られます。当院では、腹腔鏡下手術前に血管の走行を確認しておくことにより、より安全な治療を行っています。

|

 |
|
直径5から12mmのポートを5カ所に留置し、そこから器械を挿入して、手術を行います。腫瘍の大きさに応じて、左側腹部のポート創を3から5cmに延長し、腫瘍を含めた腸管を体外へ誘導し、切除します。

|

 |
|
大腸癌の手術を行う際には、腫瘍のみでなく、転移を起こしている可能性があるリンパ節を切除する必要があります。リンパ節は、動脈の周囲に存在するため、支配血管を含めた腸間膜ごと切除するのが一般的です。当院では、下行結腸の血行を温存するため、左結腸動脈の末梢で血管処理を行い、下腸間膜動脈根部のリンパ節を血管から剥離・切除する郭清操作を行っています。
 |

 |
|
後腹膜に覆われた血管を剥離し、転移の可能性があるリンパ節(所属リンパ節)を血管から郭清します。

|

 |
|
所属リンパ節を含めた脂肪組織を血管から剥離し、腫瘍へ向かう血管を切離します。切除しない腸管への血流は温存します。
ここでは、左結腸動脈を温存し、S状結腸動脈と上直腸動脈を切離します。

|

 |
|
ここでは、血管は自動縫合器で切離しています。チタンクリップで挟んで切離する場合もあります。
 |

 |
|
S状結腸周囲の生理的癒着を剥離した後、直腸クランプ鉗子で腫瘍の肛門側を挟み、腸管の吻合部を肛門から洗浄します(これにより、切離部位の汚染や吻合部再発を予防します)。その後、腫瘍の肛門側を自動縫合器で切離します。

|

 |
|
左側腹部のポート創を3から5cm(腫瘍の大きさにより異なります)に延長し、創縁保護をしてから、腫瘍を含めた腸管を体外へ誘導します。腫瘍の口側を約10cmの位置で切離した後、自動吻合器のアンビルを装着します。

|

 |
|
腹腔内へ戻してから、再度、気腹を行い、肛門から挿入した自動吻合器で吻合します。

|

 |
|
腹腔内を生理食塩水で洗浄し、左下腹部のポート創から骨盤底にドレーンを留置します。これにより、術後出血や縫合不全の有無を確認します。合併症がなければ、術後5日目前後で抜去します。

|

 |
|
切除標本では、腫瘍は全周性の進行癌でした。腫瘍から十分な距離で切除できています。手術時間は1時間 57分、出血量は少量でした。

|

 |
|
S状結腸・直腸癌の場合、左側腹部の小開腹創となります。術直後は、縫合不全や出血の有無を確認するためにドレーンを留置し、術後3-5日程度で異常がなければ抜去します。
別の患者様ですが、術後1年では目立たない創となっています。
 |

 |